新・日本人のフロンティア (10)

不思議の「親日国」パラグアイ

執筆者:北岡伸一 2020年12月17日
タグ: 日本
エリア: アジア 中南米
エステ日本語学校での歓迎(JICA提供、以下同)

 

 2019年11月、パラグアイを初めて訪問した。

 パラグアイは日本から見て、地球のちょうど反対側にあって、おそらく日本から一番遠い国の1つである。また、一番知られていない国の1つかもしれない。しかし、もっとも親日的な国の1つである。

 私もパラグアイについては、たった1つの絆しかなかった。国連にはLLDC(Land-locked Developing Countries、内陸開発途上国)というグループがあって、世界市場へのアクセスにおいて不利な立場にあるこれらの国々を支援しよう、ということになっている。なぜだか、伝統的に日本がこの世話役をしていて、それが国連大使時代、私の仕事の1つだった。

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執筆者プロフィール
北岡伸一(きたおかしんいち) 東京大学名誉教授。1948年、奈良県生まれ。東京大学法学部、同大学院法学政治学研究科博士課程修了(法学博士)。立教大学教授、東京大学教授、国連代表部次席代表、国際大学学長等を経て、2015年より国際協力機構(JICA)理事長、2022年4月よりJICA特別顧問。2011年紫綬褒章。著書に『清沢洌―日米関係への洞察』(サントリー学芸賞受賞)、『日米関係のリアリズム』(読売論壇賞受賞)、『自民党―政権党の38年』(吉野作造賞受賞)、『独立自尊―福沢諭吉の挑戦』、『国連の政治力学―日本はどこにいるのか』、『外交的思考』、『世界地図を読み直す』など。
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