
慰安婦問題を象徴するソウルの像。文在寅政権はどう対応するつもりなのか(C)EPA=時事
私が携わる『NHK BS1』の『国際報道2021』という報道番組では、日々、世界の様々な動きを伝え続けているが、しばしば、自分の立場を一貫させるのが難しい状況に見舞われてしまう。
たとえば、三権分立。
立法、行政、司法の三権が互いをチェックすることで権力の集中を防ぐ、民主主義の基本的な枠組みだ。昨年(2020年)から香港情勢を伝える中で、中国共産党が「香港国家安全維持法」の施行を武器に「一国二制度」を骨抜きにし、香港の三権分立までも公然と否定していくのを、私たちは、繰り返し批判的に報じた。そこには、三権分立は守り抜くべき「至高」という思いが強く働いている。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン