韓国 徴用工訴訟、迫る「現金化」回避に残されたシナリオ(下)

執筆者:池畑修平 2021年11月16日
タグ: 日本 韓国
エリア: アジア
ソウルの植民地歴史博物館では今年の7月から11月にかけて元徴用工の証言映像も公開された ⓒ EPA=時事
係争中の訴訟は70余り、原告は1000人超。韓国の裁判所が示した「時効」の条件があることで、この先、際限なく訴訟が膨らむ可能性は低まった。問題のスコープ(範囲)が見えたいまこそ、現実案の検討を急がなければならない。

判決確定から「3年の節目」が持つ重要な意味

 2018年に韓国大法院(最高裁)が「徴用」をめぐる訴訟で日本企業に賠償責任があるという判決を確定させてから10月30日で3年が経ったが、これは漠然とした節目というにとどまらず、具体的な意味も持っている。訴訟件数が膨らみ続けることに歯止めがかかったのだ。というのは、18年12月、光州高裁が「徴用」に関して新たな提訴ができるのは大法院の確定判決から「原則6カ月、最長で3年」という判断を示したためだ。それ以降の提訴は「時効」によって認められないとしたわけだ。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
池畑修平 『NHK』報道局記者主幹 1969年生まれ。1992年東京外国語大学卒業、『NHK』入局。1998年報道局国際部、韓国・延世大学に1年間派遣。ジュネーブ支局で国連機関や欧州・中東情勢を、中国総局(北京)では北朝鮮や中国の動向を取材。2015年~2018年ソウル支局長、南北関係や日韓関係、朴槿恵大統領の弾劾から文在寅政権の誕生、史上初の米朝首脳会談などを取材。2019年4月〜2021年3月まではBS1『国際報道2021』キャスターも務めた。著書に『韓国 内なる分断』(平凡社新書、2019年)
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