
「愛される中国」を標榜しても、その強国志向は変わらない ⓒEPA =時事
カナダと中国が、互いの人権侵害をめぐって非難の応酬を繰り広げた。民主主義、権威主義両陣営のせめぎ合いの底流に「ソフトパワー」がかかわっていることを象徴的に示す出来事といえる。
6月22日、スイス・ジュネーブの国連人権理事会の討論の最中、中国の代表が、カナダは「人権蹂躙の国」だといきなり糾弾を始めた。
カナダの問題とはこうである。
先住民族に対する強制的な同化政策が行われ、少なくとも数千人が行方不明――。

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