過去になりつつある「明るい北朝鮮」
かつて、シンガポールの「建国の父」リー・クアンユーは、ファシズム(全体主義)的手法をベースに特異な権威主義・エリート主義的統治モデルを構築して、シンガポールを発展させた。その統制的・強圧的な社会体制を揶揄する表現として、日本では「明るい北朝鮮」という表現が独り歩きしてきた。
この表現自体、厳密な定義・検証を欠いたものであるが、2010年代以降の現実を鑑みれば、「明るい北朝鮮」と言われたシンガポールは、もはや過去になりつつある。政府も無視できなくなった国民の意識変化が原動力となり、「ポスト・リー・ファミリー」時代に向けた準備とあわせ、民主主義的統治への漸進的だが不可逆な変化が進んでいる。
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