「平和構築」最前線を考える
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アフガニスタン「敗戦」の検証(3)
アフガニスタン「敗戦」の検証(3)
「IS-K」の台頭がアメリカの「タリバン許容」を招いた

カブール空港周辺の自爆テロ現場を警備するタリバン兵 (C)AFP=時事
8月26日、カブール空港周辺部で「IS-K(イスラム国ホラサン州)」による自爆テロが行われ、100名以上の犠牲者を出す甚大な被害を引き起こした。
その際明らかになったのは、日本国内では、アフガニスタンにおける「IS-K」の存在に対する認知が進んでいないことだった。多くの人々が、アフガニスタンに「イスラム国(IS)」系の組織があることすら知らなかった、と述べた。
実際には「IS-K」は、アフガニスタンの政治情勢に激震を与え、今回のアメリカの完全撤退に至る道程にも大きな影響を与えた存在である。そこで本稿では、過去の「IS-K」の台頭が放った衝撃の意味を捉え直すことを試みる。それによって、アメリカがアフガニスタン政府を見放す政策をとるにいたった経緯を、あらためて確認していくことにする。

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