「平和構築」最前線を考える
「平和構築」最前線を考える (31)

アフガニスタン「敗戦」の検証(3)
「IS-K」の台頭がアメリカの「タリバン許容」を招いた

執筆者:篠田英朗 2021年8月31日
エリア: アジア 中東 北米
カブール空港周辺の自爆テロ現場を警備するタリバン兵 (C)AFP=時事
カブール空港周辺で自爆テロを起こした「IS-K」はアメリカとタリバン共通の敵であり、この点で両者は手を携えることもあった。さらにタリバンと対立する共和国政府を交えた、奇妙な四角関係は、政府が見限られたことで終焉を迎えたのだった。

 8月26日、カブール空港周辺部で「IS-K(イスラム国ホラサン州)」による自爆テロが行われ、100名以上の犠牲者を出す甚大な被害を引き起こした。

 その際明らかになったのは、日本国内では、アフガニスタンにおける「IS-K」の存在に対する認知が進んでいないことだった。多くの人々が、アフガニスタンに「イスラム国(IS)」系の組織があることすら知らなかった、と述べた。

 実際には「IS-K」は、アフガニスタンの政治情勢に激震を与え、今回のアメリカの完全撤退に至る道程にも大きな影響を与えた存在である。そこで本稿では、過去の「IS-K」の台頭が放った衝撃の意味を捉え直すことを試みる。それによって、アメリカがアフガニスタン政府を見放す政策をとるにいたった経緯を、あらためて確認していくことにする。

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カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
篠田英朗 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。1968年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、同大学大学院政治学研究科修士課程、ロンドン大学(LSE)国際関係学部博士課程修了。国際関係学博士(Ph.D.)。国際政治学、平和構築論が専門。学生時代より難民救援活動に従事し、クルド難民(イラン)、ソマリア難民(ジブチ)への緊急援助のための短期ボランティアとして派遣された経験を持つ。日本政府から派遣されて、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)で投票所責任者として勤務。ロンドン大学およびキール大学非常勤講師、広島大学平和科学研究センター助手、助教授、准教授を経て、2013年から現職。2007年より外務省委託「平和構築人材育成事業」/「平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業」を、実施団体責任者として指揮。著書に『平和構築と法の支配』(創文社、大佛次郎論壇賞受賞)、『「国家主権」という思想』(勁草書房、サントリー学芸賞受賞)、『集団的自衛権の思想史―憲法九条と日米安保』(風行社、読売・吉野作造賞受賞)、『平和構築入門』、『ほんとうの憲法』(いずれもちくま新書)、『憲法学の病』(新潮新書)など多数。
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