「平和構築」最前線を考える
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スーダン「クーデター」の激震――止まらない民主化の退潮

スーダンの首都ハルツームで、クーデターに抗議する人々 (C)AFP=時事
10月25日、アフリカの大国・スーダンで、クーデターが発生した。薄氷の民主化が国軍のクーデターで崩壊するという出来事は、東南アジアを攪乱し続けているミャンマーを彷彿とさせる。
だが実はアフリカでは、今年だけでもマリやギニアなどでクーデターが続いて発生している。世界的な傾向として、民主的プロセスが軍のクーデターで覆されるという波が起こっているのだ。
冷戦終焉後の世界においては当初、民主主義を掲げる諸国の数が増加し続けた。特に最初の20年ほどは、民主化の広がりが大きな世界的傾向だと言えた。しかし現在では、民主化が退潮する傾向が強まっている。

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