3カ月で消費税率1%分の負担増? 原油高と「悪い円安」が日本をどれだけ削るのか

執筆者:滝田洋一 2021年12月8日
ガソリン価格の高騰には岸田政権も神経を尖らせる(11月25日、東京都江東区) ⓒ時事
オミクロン株への警戒とOPECプラスの増産継続で原油高は一服したが、エネルギー価格高騰は国内総所得(GDI)を収縮させる。それに拍車をかけるのが、もはや昔のような景気押上効果は期待できない円安だ。日米金利格差の拡大から円安基調が続くと見られる来年も、日本経済はそのワナから抜け出せそうもない。

消費国に恩を売ったOPECプラス

 コロナオン、コロナオフ。世界の金融・株式市場は新型コロナウイルスの波とともに、積極的にリスクを取りに走る局面と、リスク回避に動く局面との間を揺れ動いてきた。11月26日に世界保健機関(WHO)が、最も警戒を要する「懸念される変異株(Variant of Concern)」に指定したオミクロン株の登場は、いったんは投資家心理をコロナオフに傾かせた。

 原油相場の急落はその典型だろう。11月9日には1バレル85ドルに迫っていたWTI先物は、12月2日には65ドルをも下回った。11月23日にバイデン米政権の音頭取りで、日中印英韓などが石油備蓄の放出に踏み切った時点では、「焼け石に水」が専門家の合言葉だった。南アフリカが感染力の高い新たな変異株の存在を発表した途端に、挨拶代わりの原油見通しは冷水を浴びせられた。

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カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
滝田洋一 1957年千葉県生れ。日本経済新聞社編集委員。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」解説キャスター。慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了後、1981年日本経済新聞社入社。金融部、チューリヒ支局、経済部編集委員、米州総局編集委員などを経て現職。リーマン・ショックに伴う世界金融危機の報道で2008年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。複雑な世界経済、金融マーケットを平易な言葉で分かりやすく解説・分析、大胆な予想も。近著に『世界経済大乱』『世界経済 チキンゲームの罠』『コロナクライシス』など。
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