「金価格」で見れば日本株は下落中、円安で隠された「茹でガエル相場」が始まっている

執筆者:磯山友幸 2022年1月28日
株価維持の一方で、貧しくなったことには気が付かない  Immersion Imagery/Shutterstock.com
日経平均が「32年ぶりの高値」を記録した昨年末、日本株の実態価値はすでに下落していたと言えそうだ。富裕層と海外投資家は、岸田首相「新しい資本主義」宣言を聞くなり日本を見限っている。

 海外投資家の日本に対する関心が急速に薄れている。海外の金融会社が日本のオフィスを縮小したり、香港などアジア拠点の傘下に置いたりするのは今に始まったことではないが、欧州系運用会社の日本法人代表によると、「本社の会議で日本が話題になることがほとんどなくなってきた」と言う。

   まさに「ジャパン・パッシング」から、恐れていた「ジャパン・ナッシング」へとステージが変わってきた。最近では中国による国家安全維持法の施行で香港の機能を他国に移し変える動きも活発で、その際は、シンガポール、ソウル、東京などが候補に上がるというが、やはり東京が選ばれることはほとんどなくなっている。

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カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
磯山友幸(いそやまともゆき) 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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