新・日本人のフロンティア (14)

「親日国」台湾とともに生きる(上)

執筆者:北岡伸一 2022年2月19日
タグ: 日本 台湾
エリア: アジア
1995年の訪問時、李登輝総統(当時)と筆者との会話はなごやかなものだった (C)AFP=時事
1995年、民主化へと向かう転換期に初めて訪れた台湾。この地の歴史を思い、手腕を振るう李登輝総統との会話に触発されて考えたこととは――。

 

 今から40年あまり前、私は『近代日本と東アジア〈年報 近代日本研究 第二巻〉)』(1980年、山川出版社)に、「外交指導者としての後藤新平」というかなり長い論文を書いた。その後、それをもとにして、『後藤新平――外交とヴィジョン』(1988年、中央公論社)という本を書いた その頃、後藤新平という名前はよく知られていたが、後藤についての著作は、昭和12年(1937年)に出た全4冊の大部な正伝以外にはほとんどなかった。もう少し正確に言えば、小説が1つ、論文が2、3本あっただけだった。

カテゴリ: 政治 社会 カルチャー
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
北岡伸一(きたおかしんいち) 東京大学名誉教授。1948年、奈良県生まれ。東京大学法学部、同大学院法学政治学研究科博士課程修了(法学博士)。立教大学教授、東京大学教授、国連代表部次席代表、国際大学学長等を経て、2015年より国際協力機構(JICA)理事長、2022年4月よりJICA特別顧問。2011年紫綬褒章。著書に『清沢洌―日米関係への洞察』(サントリー学芸賞受賞)、『日米関係のリアリズム』(読売論壇賞受賞)、『自民党―政権党の38年』(吉野作造賞受賞)、『独立自尊―福沢諭吉の挑戦』、『国連の政治力学―日本はどこにいるのか』、『外交的思考』、『世界地図を読み直す』など。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top