
1995年の訪問時、李登輝総統(当時)と筆者との会話はなごやかなものだった (C)AFP=時事
今から40年あまり前、私は『近代日本と東アジア〈年報 近代日本研究 第二巻〉)』(1980年、山川出版社)に、「外交指導者としての後藤新平」というかなり長い論文を書いた。その後、それをもとにして、『後藤新平――外交とヴィジョン』(1988年、中央公論社)という本を書いた その頃、後藤新平という名前はよく知られていたが、後藤についての著作は、昭和12年(1937年)に出た全4冊の大部な正伝以外にはほとんどなかった。もう少し正確に言えば、小説が1つ、論文が2、3本あっただけだった。

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