中国「台湾封鎖・軍事演習」3つのポイント

執筆者:山口信治 2022年8月10日
エリア: アジア
軍事演習が常態化しエスカレーションする可能性も(C)AFP=時事
ペロシ米下院議長の台湾訪問への反発から、台湾周辺海域での軍事演習を常態化させようとしている中国。台湾封鎖を想定した8月4日以降の演習を3つのポイントから分析する。

 

 2022年8月2日から3日にかけて、米国のナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問した。中国はこれに対して強く反発し、ペロシ下院議長が台湾を離れるのに合わせて、8月4日から7日にかけて大規模な軍事演習を実施した。

 この軍事演習は、どのような目的で、何を重視して行われたのだろうか。また日本にとってどのような影響をもたらすのだろうか。米中双方がこの時点での戦争を望んでいない以上、大規模な軍事衝突の可能性は小さいものの、今回の演習はより広範かつ長期的な意味を持つと言えるだろう。

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カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
山口信治(やまぐちしんじ) 防衛省防衛研究所地域研究部 中国研究室 主任研究官。専門は中国政治・安全保障、中国現代史、中国の党軍関係、米中関係。慶應義塾大学法学部卒業後、同大学院を経て防衛研究所に入所。2015年から現職。単著に『毛沢東の強国化戦略』(慶應義塾大学出版会、2021年、アジア太平洋賞大賞受賞)、共著に川島真・小嶋華津子編『習近平政権の目指す中国――理念・政策・課題』(東京大学出版会、近刊)、川島真編『ようこそ中華世界へ』(昭和堂、2022年)、『防衛外交とは何か―平時における軍事力の役割』(勁草書房、2021年)、『よくわかる現代中国政治』(ミネルヴァ書房、2020年)、『現代中国の政治制度-時間の政治と共産党支配』(慶應義塾大学出版会、2018年)、『中国対外行動の源泉』(慶應義塾大学出版会、2017年)などがある。
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