3カ月ぶりに弾道ミサイル発射した北朝鮮の内実:「ウィズコロナ」転換と「年7%成長」の無謀

執筆者:平井久志 2022年9月26日
エリア: アジア 北米
最高人民会議で施政演説を行う金正恩国務委員長(党総書記)(『労働新聞』HPより)
北朝鮮は最高人民会議で、先制使用を含む核戦略の転換を決定したが、その後、3カ月ぶりに弾道ミサイルの発射実験を強行した。今後の軍事挑発が危惧される中で、金正恩党総書記は自立経済の正当性を強調。だが出てきた数値目標は、「自立」では到底不可能と思えるほど無謀なものだった。

 金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)は9月8日の最高人民会議第14期第7回会議で施政演説を行い、国際社会が求める非核化には応じないと言明した。そして同会議は、核兵器の使用条件などを含む法令「核戦力政策について」を採択した。

 北朝鮮はこの施政演説と法令により、当面は米国のジョー・バイデン政権との米朝対話も、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権との南北対話もないことを明確にした。第8回党大会で決定した“国家核武力の全面的な高度化”に邁進し、経済制裁などに抗して自力更生路線を歩み続けることを内外に宣言したのだった。

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執筆者プロフィール
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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