【再掲】市民を「巻き添え」でなく「ターゲット」にしたロシア:ウクライナ侵攻という「クラウゼヴィッツの鬼子」

このプーチンの戦争では、社会・経済・市民生活が破壊されるまで人々の殺傷が続きかねない(写真は3月12日、キエフの北に隣接するイルピンのもの) (C)AFP=時事
プーチンは確かに理解不能な軍事行動を続けているが、それを「狂った」と片付ければ重要な本質を見落とすだろう。侵攻目的はウクライナの占領自体にはなく、社会をいかに傷つけ破壊して、将来にわたるNATO非加盟と東部地方分離を認めさせるかという政治的要素にあるはずだ。この「傷つける力」という19世紀的な武力行使観のもとで、侵攻の遅れ自体はさして問題でなく、また市民は社会を破壊するための明確なターゲットになると言える。

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