インド自動車販売台数「過去最高」でも遠い「健全なクルマ社会」

執筆者:緒方麻也 2022年12月27日
タグ: インド
エリア: アジア
40万台を突破したタタの人気SUV「ネクソン」(同社ホームページより)
 
インドの月間自動車販売台数が過去最高を記録し、コロナ禍での低迷を脱しつつある。しかしクルマの急増は、未だ交通事故が多く、排ガス車も多い、不健全なクルマ社会を浮き彫りにもする。業界全体のテコ入れが急がれる。

 日米欧中韓などの有力メーカーがひしめくインドの自動車業界は、秋以降自動車の販売台数が急増し、コロナ禍前の水準を回復した。しかし、花形産業を支える零細な自動車部品企業のテコ入れや、EV(電気自動車)の普及支援、何よりも道路の整備や交通安全教育、そして環境対策などが、まだ台数の急増に追い付いていない。コロナ禍を乗り越え、インド経済が新たなスタートを切った今こそ、技術やインフラをはじめとして自動車産業全体を見直すときだ。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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