小泉悠×小谷賢:日本のインテリジェンス〜いかに機密を守るか〜(下)

日本のインテリジェンスは戦後に弱体化したものの、今も最前線で行っているシギントとエリントのレベルは高いという。国家安全保障局の設立によって情報集約の体制が整ったことも大きい。では今後の課題は何か。小泉悠・小谷賢両氏は「偽情報対策」「スパイ防止法」「通信傍受」の3つをあげる。(上)はこちらからお読みになれます

※小泉悠氏・小谷賢氏の対談に編集・再構成を加えてあります。

 

元KGBの自尊心をくすぐる「チェーカー」

小泉 ロシアの情報機関の歴史を振り返ると、ウラジーミル・レーニンがつくった秘密警察組織「チェーカー(反革命・サボタージュ取締り全ロシア非常委員会)」が紆余曲折を経て内務人民委員部(NKVD)、さらにはKGBになり、現在は連邦保安庁(FSB)や対外情報庁(SVR)、ロシア連邦警護庁(FSO)といった機関に分かれていますが、彼らは自分たちのことを「チェーカー」「チェキスト」と呼びます。つまり、自分たちはレーニンのチェーカーに端を発する組織のコミュニティの人間なのだという意識が強い。

カテゴリ: 軍事・防衛 政治
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top