いったん解放された「白紙運動」参加者が逮捕されている
習近平が恐れる「社会派女性」

執筆者:城山英巳 2023年2月7日
タグ: 中国 習近平 LGBT
エリア: アジア
「白紙運動」が習近平政権にもたらした恐れとは……(C)EPA=時事
 
中国で「習近平、下台(退け)」の声が上がり、ゼロコロナ政策の撤回につながった「白紙運動」の参加者が、いったん解放された後で相次いで逮捕されている。「若い女性」、「高学歴」、「社会問題への高い関心」といった逮捕者の共通点から見えるのは、「社会派女性」の結束を恐れる習近平指導部の強い警戒感だ。

 人口の8割に当たる11億人以上が新型コロナウイルスに感染したとされる中国で、習近平国家主席が3年も固執し続けた「ゼロコロナ政策」を撤廃するきっかけとなったのは、2022年11月末に全国各地で自発的に抗議した大学生ら若者による「白紙運動」の広がりだった。

 白紙運動の特徴は、中心となる組織や人物、あるいは大学を超えたネットワークが背後にないことだが、参加者には「若い女性」、「高学歴」、「社会への高い意識と責任感」、「ジェンダー問題への関心」などの共通点がある。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
城山英巳(しろやまひでみ) 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授。1969年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、時事通信社に入社。中国総局(北京)特派員として中国での現地取材は十年に及ぶ。2020年に早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了、博士(社会科学)。2010年に『中国共産党「天皇工作」秘録』(文春新書)でアジア・太平洋賞特別賞、2014年に中国外交文書を使った戦後日中関係に関する調査報道のスクープでボーン・上田記念国際記者賞を受賞。著書に『中国臓器市場』(新潮社)、『中国 消し去られた記録』(白水社)、『マオとミカド』(同)、『天安門ファイル-極秘記録から読み解く日本外交の「失敗」』(中央公論新社)、『日中百年戦争』(文春新書)などがある。
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