中国共産党中央組織部長に異例の人事、宣伝部長とともに「知日派」ライン形成
PERSONALS【人事情報】

石泰峰氏(右)は中央党校副校長時代の2005年11月に「中国青年指導幹部訪日団」団長として来日している[左は王滬寧全国政治協商会議主席=2025年3月8日、中国・北京](C)REUTERS/Tingshu Wang
中国の習近平体制で、党中央統一戦線工作部長と党中央組織部長の役職を入れ替えるという、過去に例のない人事が実施された。4月2日に国営新華社通信が伝えた。
統一戦線工作部長から組織部長に替わるのは石泰峰(68)氏、組織部長だった李幹傑(60)氏が統一戦線工作部長に立場を変えた。二人ともトップ24に当たる党中央政治局委員だが、両ポストのうち強大な権限を持つのは、人事を握る組織部長だ。以前なら「定年」とされた68歳で新たに党要職に就いた石泰峰氏は習近平国家主席にとって、余人をもって替え難い特別な側近であることが示された形だ。
共産党中央の中で、組織部長と宣伝部長(イデオロギー・思想やメディアを統括)は、党運営の「車の両輪」とも言える要のポストであり、最高指導部・政治局常務委員会入りの登竜門と位置付けられる。
この石泰峰氏と、宣伝部長の李書磊氏(61)は実は、日本で研修を受け、日本の先進的な制度や政策、あるいは失敗の教訓を学んだことがある「知日派」という面を持っていることはほとんど知られていない。

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