深圳・日本人児童刺殺とNHK「放送乗っ取り」、中国社会の「反日ナショナリズム」はレッドゾーンに入るのか

9月18日は1931年の柳条湖事件を記念する「国恥の日」とされ、当日は中国メディアやSNSに日本への復讐心をかき立てる声があふれる。刺殺事件はまさに、その日に起きた[深圳日本人学校の校門前に供えられた花束=2024年9月20日、中国・広東省深圳市](C)時事
中国広東省深圳市で日本人学校に登校中だった男子児童(10)が中国人の男に刺殺された事件の背景には、社会への不満を日本にぶつける歪んだ風潮の高まりがある。中国のSNS上には日本人学校などを攻撃する反日動画が拡散している。
それは、日本やアメリカなど西側を敵視することでナショナリズムを煽り、体制への求心力に利用した習近平国家主席の「強国」路線が生んだ風潮だ。だが、今回の事件を招いた反日ナショナリズムは、捌け口のない鬱積となって体制そのものに向かう可能性もある。それを恐れる習近平指導部は、情報統制を強化し、真相を隠すしかなくなっている。

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