新・日本人のフロンティア (21)

南米とのさらなる関係深化を目指して――チリ、アルゼンチン、ボリビア

執筆者:北岡伸一 2023年4月7日
タグ: 日本
エリア: アジア 中南米
アルゼンチン・国立ラ・プラタ大学でのJICAチェア講義(JICA提供、以下同)
空路でも丸1日以上かかるという遠隔の地だが、明治以来の移民の歴史もあって親日感情も強い南米3カ国。価値を共有し、さらなる支援で良好なパートナーシップを築くことが必要だ。

 2022年11月に南米のチリ、アルゼンチン、ボリビアの3カ国に行った。

 

 チリに行ったのは初めてだった。多くの日本人と同様、私がチリという国のことを知ったのは、1960年のチリ地震津波の時だった。太平洋の向こう側の国の地震が日本に被害を及ぼすということに大きな驚きを覚えたものである。その後、1987年にマレーシアのサバで開かれたアジア太平洋をめぐる国際会議に参加した時、チリやペルーの方がおられて、ああ、太平洋の彼方も隣国なのだなと思った。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
北岡伸一(きたおかしんいち) 東京大学名誉教授。1948年、奈良県生まれ。東京大学法学部、同大学院法学政治学研究科博士課程修了(法学博士)。立教大学教授、東京大学教授、国連代表部次席代表、国際大学学長等を経て、2015年より国際協力機構(JICA)理事長、2022年4月よりJICA特別顧問。2011年紫綬褒章。著書に『清沢洌―日米関係への洞察』(サントリー学芸賞受賞)、『日米関係のリアリズム』(読売論壇賞受賞)、『自民党―政権党の38年』(吉野作造賞受賞)、『独立自尊―福沢諭吉の挑戦』、『国連の政治力学―日本はどこにいるのか』、『外交的思考』、『世界地図を読み直す』など。
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