女性・高齢者では賄えない日本の「なり手不足経済」

執筆者:矢嶋康次 2023年4月5日
タグ: 日本
エリア: アジア
人手不足が深刻なのは運送業界に限らない(C)photo-ac.com/
日本の労働力人口の減少を抑えてきた女性と高齢者の労働参加は、限界に達しつつある。物流や介護、建設など人手不足が深刻な業種が多々ある中、日本の経営に求められているのは人材に先行投資して付加価値を生み出す「レジームチェンジ」だ。

 

女性・高齢者頼みの限界

 10年以上前にある地方で講演した際、市町村の将来人口はどうなるのかといったことが話題になった。

 私は「県全体で人口をできるだけ減らさないという目標が大事だ。でも、市町村が個々に策定した人口目標を足し合わせると、県全体の人口予想をはるかに上回る規模になる。おそらく将来の働き手の中には、畑を荒らすサルやシカが入っているのではないか?」と指摘し、参加された方の笑いを取った。

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カテゴリ: 社会 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
矢嶋康次(やじまやすひで) ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト。1968年生まれ。東京工業大学卒業後、日本生命保険入社。1995年にニッセイ基礎研究所入社へ。2012年よりチーフエコノミスト、2017年より研究理事、2021年より常務理事を兼務。主な著書に『 非伝統的金融政策の経済分析──資産価格からみた効果の検証』(共著・日本経済新聞出版社)、『記憶の居場所(ときのすみか):エコノミストがみた日常』(慶應義塾大学出版会)などがある。
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