2023年の世界経済見通し:グローバル・リセッションから自律回復の動き

執筆者:矢嶋康次 2023年1月1日
タグ: アメリカ
エリア: 北米 ヨーロッパ
2022年は急激なインフレに見舞われた米国だが……(C)AFP=時事
ロシアのウクライナ侵略によって世界経済が大混乱に陥った2022年はインフレと利上げの1年だった。2023年は、その結果としてグローバル・リセッションが起きると予想されるが、年後半には米国を中心に自律回復に向かう国を探る動きが見られそうだ。

 

 2023年の世界経済は多くの国でリセッションとなりそうだ。2022年はインフレを抑制するため、各国で急激な利上げが実施されてきた。インフレが加速する事態は頭打ちになりそうだが、金融引き締めという急ブレーキを踏んできただけに、それが景気悪化となって表れる年になる。

インフレに翻弄された2022年

 2022年2月、ロシアによるウクライナ侵略によって、核保有国が主権国家に侵略するという、起きてはならないことが起き、世界経済は大混乱となった。それ以前は、各国がデジタルと環境対策を柱に経済復活を図るべく政策が打たれてきたが、新冷戦構造が現実のものとなり世界が分断する中、天然ガスを中心にエネルギーや食糧の争奪戦が開始された。

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カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
矢嶋康次(やじまやすひで) ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト。1968年生まれ。東京工業大学卒業後、日本生命保険入社。1995年にニッセイ基礎研究所入社へ。2012年よりチーフエコノミスト、2017年より研究理事、2021年より常務理事を兼務。主な著書に『 非伝統的金融政策の経済分析──資産価格からみた効果の検証』(共著・日本経済新聞出版社)、『記憶の居場所(ときのすみか):エコノミストがみた日常』(慶應義塾大学出版会)などがある。
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