
アメリカの支援に対する韓国国民の信頼は揺らいでいる[5年ぶりに開催された米韓合同の大規模軍事演習「フリーダム・シールド」=2023年3月13日](C)AFP=時事 / South Korean Defence Ministry
北朝鮮の核戦力が向上する中、韓国では独自の核武装論が高まっていると言われる。メディアは「核武装論」を主張する政治家の発言を紹介し、76.6%の人が独自の核武装に賛成すると答えた世論調査結果(韓国ギャラップがシンクタンクChey Institute for Advanced Studiesと今年1月に共同で実施。詳細後述)を取り上げ、韓国社会に「核武装論」が広がっていると報じている。
今なぜ核武装論が注目されるようになったのか、核武装論を求める世論は本当に高まっているのか、その実態を探る。
「禁忌」ではなくなりつつある核武装論
昨年11月、韓国の核武装の在り方を模索する民間団体「韓国核自強(独自核)戦略フォーラム」が発足し、注目を集めた。このフォーラムには研究者やメディア関係者など、政治理念を問わず核武装を支持する人々が参加している。韓国の核武装論は以前から存在したものの、特定の政治理念を持つ少数の意見として公の場で議論することが避けられてきたため、「異例の動き」として注目を集めた。
フォーラムは、公開討論を開くなどして核武装の必要性を積極的に訴えている。趣旨に賛同する政治家も増えており、核武装論は一つの世論として成長しようとしている。フォーラムのある関係者は、今こそ核武装について議論できる社会的環境が整ったと話す。……

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