Weekly北朝鮮『労働新聞』 (111)

6年ぶり開催「平壌国際マラソン」が示す「脱・金日成」の進行(2025年4月6日~4月12日)

執筆者:礒﨑敦仁 2025年4月14日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
フルマラソンとハーフマラソンでは男女ともに北朝鮮選手が優勝した[平壌市内を走る参加者たち=2025年4月6日](C)AFP=時事
平壌で6年ぶりに国際マラソン大会が開催されたが、大会名からは「太陽節」「万景台」といった金日成に関連する語句が除去されていた。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

 平壌(ピョンヤン)で6年ぶりに国際マラソン大会が開催された。4月6日付は、「4月の春の名節(祝日)」に際して開催される「第31回平壌国際マラソン競技大会」に参加するため、中国、ルーマニア、モロッコ、エチオピアの選手たちが訪朝したことを写真付きで伝えた。2019年4月に開催された前回大会までは、故・金日成(キム・イルソン)主席の誕生日である「太陽節」(4月15日)を記念した「万景台(マンギョンデ)賞国際マラソン競技大会」と称されてきたが、今回は「太陽節」のみならず、金日成の出生地である「万景台」の名称が大会名から除去された。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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