「大統領」2人のコートジボワールを見ながら思い出す尖閣ビデオ流出事件

執筆者:白戸圭一 2010年12月21日
タグ: 尖閣諸島 日本
エリア: アフリカ アジア

 平野さんが11月18日に「アフリカの部屋」へ投稿した「尖閣諸島漁船衝突ビデオの流出事件について、アフリカ国家論から思う」に対して、読者の方々からいくつかのコメントが寄せられ、私は「これは興味深い議論だなあ」と思いながら読んでいました。

 投稿からほぼ1カ月が経過し、海上保安庁の尖閣ビデオ流出を巡る議論は沈静化の様相ですが、私は西アフリカのコートジボワールで続いている「大統領が2人」という異常事態を見ながら、「国家公務員の義務・責務とは何か」という問題をますます深く考えています。

 コートジボワールで進行中の異常事態の現状を知るには、前回の平野さんの投稿文で紹介された岡村善文・駐コートジボワール日本大使のブログが役立ちます。現地の生々しい様子が伝えられている岡村大使のブログを読んだ私は「もし、自分がコートジボワールの国家公務員だったとしたら、どのような立場を選択し、何に恭順の意を示し、どちらを向いて仕事し、何を義務とするのか」と考え込んでしまいました。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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