2012年の年明けの欧州金融情勢は、昨年11月ころと比較すれば平静であったといえる。最大の要因は旧臘ECB(欧州中銀)がユーロ加盟国の銀行に対して、上限なしの3年間の資金融資を決めたからだ。長期にわたる低利融資の稼動はLTROs(long-term refinancing operations)と呼ばれ、このLTROsのもとでは、それ以前には銀行がまったくといってよいほど応ずることのできなかった国債の借り換えにもそれなりに対応できることになる。このためイタリアの10年もの国債の利回りも、年明けは6.9%を下回ることになった。1月中旬に予定されるイタリア国債の多額の借り換えも、とりあえずは大きな破綻はないだろう。

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