中東―危機の震源を読む
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エジプト新憲法制定の行方──新体制への「一般意思」は示されるか
エジプトの新憲法草案への賛否を問う国民投票が12月15日に行なわれる予定だ。そこに向けて、ムルスィー大統領・ムスリム同胞団の与党勢力と、リベラル派と旧体制支持派を中心とする反ムルスィー・反ムスリム同胞団勢力との対立が激化している【「分裂したエジプト──国民投票への賛成と反対それぞれが人々を動員」アハラーム・オンライン12月11日】 。
「アラブの春」の開始から間もなく2年を迎えるが、エジプトで新憲法制定がなされ、新体制設立が実現するのか、あるいはいったん立憲過程が停滞し、諸勢力間の対話が試みられるのか、あるいは大規模な混乱・衝突が生じ、軍の介入によってプロセスそのものが中断あるいは振り出しに戻るのか。様々な可能性がありうる。投票日に向けて緊張が高まる。

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