饗宴外交の舞台裏 (185)

洗練さ際立つフランス大使公邸「食卓の芸術」

執筆者:西川恵 2013年10月11日
タグ: フランス 日本
エリア: ヨーロッパ
 立役者のポラック氏
立役者のポラック氏

 駐日フランス大使公邸の凝ったメニューの装丁は、招待客の間で評判だ。幕末、明治時代の色刷りのポスターの複製を表紙に使い、テーブルについた人の目を惹きつける。最近、その装丁がまた一新された。この「アール・ド・ターブル」(食卓の芸術)の陰の立役者は、滞日42年になるクリスチャン・ポラック氏(63)。日仏関係史の研究では第一人者として知られている。

 

大使夫人が選んだポスター

 フランス大使公邸の変哲もないメニューを変えたのは、2006年 に赴任したルリデック大使とクリスチアヌ夫人だ。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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