不覚にも急性心筋梗塞の発作を起こして倒れ、病院のベッドで2週間過ごした。退院後の試運転を経て、6月から本格復帰を図っている。
入院中することがないので、女房に頼んで研究室から積読(つんどく)本を一山ずつ運んでもらった。まったく久しぶりのゆったりした読書に耽溺したが、なかでもエズラ・ヴォーゲル『鄧小平』の訳本上下2巻は圧巻で、2005年に出たユン・チアンの『マオ:誰も知らなかった毛沢東』を思い出させてくれた。『マオ』は、異常性格者として描かれる毛沢東が中国をつくって破壊するまでの物語であるが、『鄧小平』のほうは中国の高度経済成長期まで続くので、いくらか明るい気分で読み進めることができる。

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