東大時代に寄付講座を立ち上げたお話は、すでにいたしましたが、それとは別に、2004年、文部科学省の科学技術振興調整費によって運営される「東京大学医療政策人材養成講座(以下、HSP:HEALTH CARE AND SOCIAL POLICY LEADERSHIP PROGRAM)」と称する、ユニークな講座も創設しました。
医療行政や医療財政などに関しては、いろいろなところでさまざまな人が意見を出しているのですが、医療政策については、なかなか語られていません。医療が激動の時代を迎え、医療政策への関心が高まっているにもかかわらず、政策提言ができる人材不足は明らかでしたので、HSPを提案するにいたりました。この科学技術振興調整費は、振興分野の人材育成に関して数多く寄せられる公募企画の中から、テーマの重要性、先進性が認められたもののみに対して、5カ年にわたって交付されるものです。行政側も医療政策を策定する際に、人材の不足を大きな課題としてとらえていたのだと思います。
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