政府の行政刷新会議による「事業仕分け」が大詰めを迎えていた十一月二十六日午後――。厚生労働省傘下の社団法人「国際厚生事業団(JICWELS)」が東京・渋谷で開いたインドネシアとフィリピンからの介護士・看護師の受け入れ説明会には、約百五十人の介護施設、病院関係者が集っていた。その席上、JICWELSの角田隆・専務理事は誇らし気に言った。「(外国人介護士らへの受け入れ支援事業は)幸い、事業仕分けの対象にはなっていない。是非とも予算を確保したいと思います」 二〇一〇年度予算の仕分け対象となった事業は四百四十九。その多くが廃止や予算削減を求められたが、外国人介護士らの支援事業は仕分けから漏れていた。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン