饗宴外交の舞台裏 (145)

フランスに先見の明 それぞれの都内大使館事情

執筆者:西川恵 2010年2月号
エリア: ヨーロッパ

 この数年、東京にある各国の大使館の新築、改築、建て替えが盛んだ。 フランス大使館(港区南麻布)は昨年十二月に新庁舎が落成した。ベルギー大使館(千代田区二番町)も十月に竣工。一昨年はパキスタン大使館(港区南麻布)が移転して新築。アフガニスタン大使館(港区麻布台)も建物付きの土地を購入し、改築した。ドイツ大使館も数年前に建て替えた。 建物の老朽化、便利な場所への移転、また、高い賃貸料を払うよりも土地が安い時に購入して新築した方が長期的には得と、事情はさまざま。所有する土地の一部を切り売りして建設費を捻出する大使館もあるが、最もお得な建て替えをしたのはフランスだ。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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