「サーベラス騒動」に隠れた西武グループ「深刻な危機」

執筆者:安西巧 2013年7月3日
エリア: アジア
 株主総会では勝利した後藤社長だが…… (C)時事
株主総会では勝利した後藤社長だが…… (C)時事

 西武ホールディングス(HD)の後藤高志社長(64)が新たな危機に直面している。筆頭株主の米投資ファンド、サーベラスから事実上の「不信任」を突きつけられて臨んだ6月25日の株主総会では、元米副大統領のダン・クエール(66)や元米財務長官のジョン・スノー(73)、元金融庁長官の五味廣文(64)ら8人の取締役選任などを求めたサーベラスの株主提案をすべて否決に持ち込み、安堵したのも束の間、今度は傘下のプリンスホテルで大規模な食材の「誤表示」問題が発覚した。同ホテルは2度にわたって調査結果を公表したが、ウソの表示にだまされた利用客はホテル側の算出で約26万人に達している。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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