2013年、日本経済はアベノミクス効果で株価や企業収益にフォローの風が吹いたものの、雇用や鉱工業生産など実体的ファクターの動きはまだ鈍い。「金融緩和」「財政出動」に続くアベノミクスの第3の矢とされる成長戦略の要の 「規制改革」がさっぱり前に進まず、低金利とふんだんな公共事業が支える景気の危うさを内外のエコノミストが指摘し始めている。本来、政府に規制撤廃を働きかけるのは経済界の役目である。膨張する公権力を牽制しながら、企業が自己責任原則の下で自由な市場で競い合うのが多くの財界人に共通する保守本流の経済思想なのだが、昨今のわが国では「破綻防止」「成長戦略支援」などを名目に公的資金をバラまく「機構」という名の政府機関が増殖している。

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