千変万化「オリックス」が不動産市場になだれこむ

執筆者:安西巧 2007年7月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

収益の柱だった金融事業が頭打ちとみるや、不動産事業に重心移動。さすがの商売上手ながら、そのイメージは――。 大阪市中心部のビジネス街・中之島と、堂島川を挟んで向かい側になる福島の一角には、かつて大阪大学附属病院があった。山崎豊子の小説『白い巨塔』のモデルにもなったその白亜の建物は、一九九三年の大阪府吹田市への移転に伴い解体。約二・一ヘクタールに及ぶ跡地は現在再開発中で、その中にひときわ目立つ超高層マンションが来年夏完成する。「ザ・タワー大阪」。地上五十階建て(高さ百七十七メートル)で、総戸数は五百六十戸(うち分譲四百八十戸)。昨年の分譲時には四億五千万円の最高額物件に九倍の申し込みがあり、約三十戸あった一億円以上の“億ション”も即日完売した。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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