「遊民経済学」への招待 (17)

ラーメンはなぜ快楽なのか

執筆者:吉崎達彦 2015年11月14日
タグ: 日本
エリア: 北米 アジア

 土曜の朝、妻が出かける準備をしている。半分寝ぼけながら様子を窺っていると、どうやら今日は娘が通っている学校の行事があるらしい。娘は既に学校に出かけている。ということは、今日のお父さんはフリーということになる。
 家族が出払って、家に取り残されたお父さんは良からぬことを企んでいる。まずは自家用車で週末恒例の買い物へ。柏市内のクリーニング屋で1週間分のワイシャツを出し、量販店で1週間分のビールを買い込み、ショッピングモールで日用品の買い出しを済ませる。これで週末の任務は完了。そこからクルマは利根川を渡って茨城県に向かう。
 禁断の川越えは久しぶりである。後でカミさんにバレたら何と言われるだろう。医者からも血圧が高いと言われている。体重を減らさなきゃいけないとは思っている。それでも目指すは「ラーメン二郎」の茨城守谷店なのである。

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執筆者プロフィール
吉崎達彦(よしざきたつひこ) 双日総合研究所チーフエコノミスト。1960年(昭和35年)富山市生まれ。一橋大学社会学部卒業後、1984年日商岩井(現双日)に入社。米国ブルッキングス研究所客員研究員、経済同友会調査役などを経て現職。新聞・経済誌・週刊誌等への執筆の他、「サンデープロジェクト」等TVでも活躍。また、自身のホームページ「溜池通信」では、アメリカを中心に世界の政治経済について鋭く分析したレポートを配信中。著書に『溜池通信 いかにもこれが経済』(日本経済新聞出版社)、『1985年』(新潮新書)など、共著に『ヤバい日本経済』(東洋経済新報社)がある。
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