ミャンマー連邦議会の総選挙で圧勝したアウン・サン・スー・チー党首率いる国民民主連盟(NLD)が、単独で新政権を樹立出来ると思いきや、現実はそうではない。スー・チー氏の目前に立ちふさがるのは、総選挙で大敗したはずの軍部に他ならない。NLDと軍部との連立政権――これがミャンマー新政権の実像となる。
軍出身のテイン・セイン大統領が、与党・連邦団結発展党(USDP)の敗北を予想しながら総選挙に踏み切り、野党のNLDに政権を平和裏に明け渡すとの決断をした背景には、いったい何があるのであろうか。軍部からの支援を取り付けないままで、スー・チー氏が順調に政権運営を出来るはずがないと、軍部は緻密な計算を働かせていた可能性がある。

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