あれは2008年3月の台湾総統選挙の時であった。筆者は台北経済文化代表処のご好意により、"Visiting Journalist"として選挙戦を見学する機会を得た。当時、「日台次世代対話」という若手研究者の交流会に参加していたことがご縁であった。
投票日の前日に台北市内に乗り込んだところ、既に市内は熱気に包まれ、そこらじゅうに選挙の宣伝物があふれていた。最終日の選挙運動は、午後10時までと決められている。市内のサッカー場では、民進党の謝長廷と蘇貞昌という正副の総統候補が揃い踏みで、「最後のお願い」の大集会を行っていた。

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