国際人のための日本古代史 (73)

諏訪大社「御柱祭」に宿る縄文の息吹

執筆者:関裕二 2016年4月8日
タグ: 日本
エリア: アジア

 諏訪大社で、7年に1度の御柱祭(おんばしらまつり)が執り行われている(数え年なので、実際には6年毎。寅と申の年)。モミの大木16本を山から里に曳き、諏訪大社を構成する4つの社、上社(かみしゃ)の本宮(ほんぐう、諏訪市)と前宮(まえみや茅野市)、下社(しもしゃ)の春宮(はるみや)と秋宮(あきみや、ともに下諏訪町)それぞれの社殿の4隅に立てる。
 御柱祭が有名になったのは、「けが人や死者が出る祭り」だからかもしれない。たとえば山だしでは、急坂を滑り下る大木から人々がふるい落とされ、下敷きになることもある。
 記録によれば、平安時代初期、桓武天皇の時代から祭りが行われていたというが、なぜ危ない祭りをつづけてきたのだろう。諏訪の住人は、普段穏やかなのだが、ひとたび御柱祭や歴史の話になると、人が変わったようになる。何やら複雑な事情が隠されているようなのだ。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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