諏訪大社で、7年に1度の御柱祭(おんばしらまつり)が執り行われている(数え年なので、実際には6年毎。寅と申の年)。モミの大木16本を山から里に曳き、諏訪大社を構成する4つの社、上社(かみしゃ)の本宮(ほんぐう、諏訪市)と前宮(まえみや茅野市)、下社(しもしゃ)の春宮(はるみや)と秋宮(あきみや、ともに下諏訪町)それぞれの社殿の4隅に立てる。
御柱祭が有名になったのは、「けが人や死者が出る祭り」だからかもしれない。たとえば山だしでは、急坂を滑り下る大木から人々がふるい落とされ、下敷きになることもある。
記録によれば、平安時代初期、桓武天皇の時代から祭りが行われていたというが、なぜ危ない祭りをつづけてきたのだろう。諏訪の住人は、普段穏やかなのだが、ひとたび御柱祭や歴史の話になると、人が変わったようになる。何やら複雑な事情が隠されているようなのだ。

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