欧州統合の先が見えない。
英国の国民投票の結果が出た直後、欧州連合(EU)首脳会議は厳しい姿勢でイギリスに早期の離脱通告を迫った。しかし英国の離脱派に先のシナリオはなかった。6月30日に離脱派の旗振り役のボリス・ジョンソン自身がキャメロン後の保守党党首選の候補をさっさと降りてしまった。無責任の極みであるが、すでにジョンソン氏は支持者の信用を全く失ってしまっていた。EU離脱の大きな理由の1つであったEUへの拠出金を医療費に回すと有権者に訴えたにもかかわらず、投票後のテレビインタヴューで同氏は「約束はしていない」と一転。次期党首はメイ内務大臣の線が有力となっているが、いずれにせよ英国に対する信用の失墜は加速された。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン