
1992年、カンボジア・タケオ。自衛隊PKO活動と「駆けつけ警護」の歴史は、ここから始まった (c)時事
南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊(約350名の施設部隊)が2016年12月から「駆けつけ警護」と「宿営地の共同防護」という新任務を実施することが可能になった。「現地は政府部隊と反政府部隊の対立が激しく治安状態が悪化しつつあり、こういう状況下での新たな新任務付与は危険であり、極めて不安である。新任務の付与を直ちに取り消すべきだ」と、多くのマスコミが言い立てている。
しかし、1992年以来の自衛隊PKO活動などを知る筆者にとって、この新任務付与は、自衛隊の一歩前進であり、洵(まこと)に悦ばしいことなのである。
無論、この「国際協調に基づく積極的平和主義」を一層前進させて行くためには、更なる「(1)自衛隊訓練・運用の改善、(2)法制の整備、(3)国民の理解と支援」がなければならないが、先ずは、本題の分析・評価・課題などについて述べることとする。

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