「ロシアゲート」疑惑:自ら墓穴を掘ったトランプ政権「悪夢のシナリオ」

執筆者:渡部恒雄 2017年5月23日
エリア: 北米 ロシア 中東
司法長官と特別検察官の解任はニクソン大統領を追い詰め、1974年8月、ホワイトハウスを去った (c)AFP=時事

 

 トランプ政権は就任4カ月で、歴史的ともいえる混乱に直面している。そのきっかけは5月9日、トランプ大統領による突然のコミーFBI長官の解任だった。その背景には、辞任したマイケル・フリン前国家安全保障担当大統領補佐官をはじめとするトランプ政権とロシアとの不透明な関係を巡る問題、いわゆる「ロシアゲート」疑惑の捜査がある。

「魔女狩りだ」

 ホワイトハウスはコミー長官の突然の解任について、昨年の米大統領選の民主党候補、ヒラリー・クリントン元国務長官の私用メール問題に対するFBI長官の対応の誤りを理由として挙げている。しかし、そのコミー長官の対応により、追い風を受けて選挙戦に勝利したトランプ大統領は、一時はその対応を絶賛しており、ホワイトハウスの発表を額面どおり受けとるものは誰もいない。解任劇の前の週、コミー長官やローゼンスタイン司法副長官がFBIのロシアゲート疑惑への捜査について、「予算の追加と人員の拡充」を求めていたことにトランプ大統領が危機感を抱いて解任したのではないかというのが、常識的な解釈だろう。

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執筆者プロフィール
渡部恒雄 わたなべ・つねお 笹川平和財団上席研究員。1963年生まれ。東北大学歯学部卒業後、歯科医師を経て米ニュースクール大学で政治学修士課程修了。1996年より米戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員、2003年3月より同上級研究員として、日本の政治と政策、日米関係、アジアの安全保障の研究に携わる。2005年に帰国し、三井物産戦略研究所を経て2009年4月より東京財団政策研究ディレクター兼上席研究員。2016年10月に笹川平和財団に転じ、2017年10月より現職。著書に『大国の暴走』(共著)、『「今のアメリカ」がわかる本』など。
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