「米韓合同軍事演習」が送る北朝鮮への「重要メッセージ」

執筆者:伊藤俊幸 2017年8月25日
エリア: 北米 アジア
「キルチェーン」の要であり、北朝鮮へのメッセージも併せ持つ米空軍の爆撃機B1B[US AIR FORCE提供] (C)AFP=時事

 

 8月21日、米韓合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」(以下、「乙支」)が始まった(8月31日まで)。そこで、そもそも「乙支」とはいかなる演習なのか、それが米朝関係に及ぼす影響とは何かについて、論じてみたい。

韓国軍主体の指揮所演習

 米韓合同軍事演習は、1年に3回行われる。そのうち春にあるのが「キー・リゾルブ」と「フォールイーグル」だ。前者は指揮所演習(図上演習)で、後者は米海軍の空母も参加する、大規模な実動演習である。一方「乙支」は、例年8月から9月に行われる指揮所演習だ。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
伊藤俊幸(いとうとしゆき) 元海将、金沢工業大学虎ノ門大学院教授、日本戦略研究フォーラム政策提言委員、日本安全保障・危機管理学会理事。1958年生まれ。防衛大学校機械工学科卒業、筑波大学大学院地域研究科修了。潜水艦はやしお艦長、在米国防衛駐在官、第二潜水隊司令、海幕広報室長、海幕情報課長、情報本部情報官、海幕指揮通信情報部長、第二術科学校長、統合幕僚学校長を経て、海上自衛隊呉地方総監を最後に2015年8月退官。
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