米朝首脳会談「1カ月」の検証(2)「核弾頭65個」と「秘密の核施設」

執筆者:平井久志 2018年7月24日
エリア: 北米 アジア
北朝鮮・南浦直轄市降仙にある千里馬製鋼連合企業所。この付近に秘密の核施設がある? (C)時事

 

 中朝の緊密な関係が一層強まる中で、マイク・ポンペオ米国務長官は6月25日に放映された『CNNテレビ』との電話インタビューで、「2カ月や6カ月といった期限は設けない」と述べ、北朝鮮との非核化に向けた交渉に期限を設けない考えを示した。

ポンペオ長官「非核化、期限設けず」

 ポンペオ長官は米朝首脳会談翌日の6月13日には、ドナルド・トランプ米大統領の1期目の任期である2021年1月までに非核化をほぼ達成したい、と語っていた。トランプ政権の任期中に北朝鮮の非核化という成果を出して、トランプ大統領の再選を目指す構想との見方もあったが、わずか2週間も経たないうちに「期限を設けない」とした背景に、水面下の米朝交渉が難航しているのではないかという見方も出た。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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