私を最も手古摺らせたのはShort Story Writingのゼミだった。つまり短編執筆である。ただ文学のゼミではないので小説ではなく、ノンフィクションの書き下ろしである。英語を喋るのでさえ少し構えてからというのに短編とはいえ文章を書いて読者に読んでもらうのは至難の業である。
それだけではない。書いた原稿を売ってそれが掲載されればゼミの点数になるという。文章にはニュアンスや調子があり、日本語で考えそれを英語に翻訳した文章は読むに堪えないだろう。とにかく、まず書くテーマを考えることである。ただ書くための手引きはあった。Writer's Guideという本。

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