岩瀬昇のエネルギー通信
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「新発見油田」にすがるしかない財政破綻「バーレーン」の悲痛な叫び

国家の収入源は資源輸出が大半なのだが……
これも歴史の皮肉の1つなのだろうか。
1928年に締結された「赤線協定」(「トルコ石油」に進出する際、当時の国際石油開発会社同士が域内での競争を制限するために設けた取り決め)の域内にあったため、大成功が約束されていたメソポタミア(現イラクの一部)での石油開発に参加できなかった「カリフォルニア・スタンダード石油(ソーカル)」(現在の「シェブロン」)が1932年、バーレーンで油田を発見した。湾岸域内では最初の油田発見である。ついで翌年、地質的繋がりがあると見なされた、バーレーンの対岸に位置するサウジアラビア(以下サウジ)の東部地域で油田を発見したのも「ソーカル」だった。

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