世界漫遊「食考学」の旅
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【マレー半島】華人の過酷な労働を支えた栄養満点の肉骨茶(パクテー)

老舗「亜華肉骨茶」の肉骨茶(筆者撮影、以下同)
料理には、食べる人の社会階層も深く関わっている。現代においては誰でも食べられる郷土料理でも、かつては特定の集団が特定の場所で、特定の理由をもって生み出したものが珍しくない。
その1つが、シンガポールやマレーシアのあるマレー半島で食べられている「肉骨茶」という料理だ。私にとっては、マレー半島を訪れるたびに味わわないではいられない「必食」の1品である。
料理にはしばしば歴史が宿るものだが、この肉骨茶はマレー半島のチャイニーズ・ヒストリーを強烈に映し出す。

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