
「太陽王」と称された、フランスのルイ14世。確かに欧州の中心で輝いてはいたが、全体を統合していたわけではなかった
アウグストゥスが一体化したローマの「帝国インペリウム」は、ディオクレティアヌス以降、多元化の様相を強め、ついに皇帝並立の体制が定着した。そのインペリウム・皇帝がキリスト教と一体となっても、その多元化はとどまらない。ローマ教会は独自のローマ皇帝を擁立しつつ、なおかつ自らローマ皇帝の正統な後継者を以て任じた。
中世と多元化の深まり
そのローマ皇帝を戴く地域は、ひとまずドイツ・イタリアである。しかし西隣のフランスのroi王も、自らを「皇帝」に比擬し、実在の神聖ローマ皇帝やローマ教皇との争いを辞さなかった。もちろんローマ教会の埒外には、古代ローマの正統ながらギリシア化した東ローマが存在する。

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