「ゴーン」だけではない「強欲経営者」列伝

執筆者:安西巧 2018年11月22日
墜ちたカリスマ(C)AFP=時事

 

 東京地検特捜部による日産自動車会長、カルロス・ゴーン(64)の逮捕が世界に衝撃を与えている。報酬の過少申告に加え、海外子会社の資金の私的流用などへ疑惑は広がり、事実ならば、その強欲さは巨大企業のトップとしては前代未聞。山高ければ谷深し――。
「日産再生の立役者」との評判が高かっただけに、金銭スキャンダル発覚後の風当たりの厳しさは当然だろう。
 だが、実績に見合うとは思えない破格の役員報酬を得ている例は他にもある。日本では2例目という司法取引を使った特捜部の異例の摘発には、初心(うぶ)な日本企業をカモにする外国人経営者を一網打尽にする狙いも秘められているのかもしれない。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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