世界漫遊「食考学」の旅
(8)
【ペルー・マチュピチュ】悲しきインカのトウモロコシ

インカ帝国の「酒造基地」だったマチュピチュ(筆者撮影、以下同)
トウモロコシほど、私たちの生活に根付いた食物も少ない。なかでも茹でたてのトウモロコシは、これにかぶりつく瞬間を思うだけでよだれが口の中に広がってしまう、定番の味覚。焼きトウモロコシもいい。香ばしい焼けた匂いがたまらない。ファミレスで知ったまろやかなコーンスープも、子供のころから親しんできた味である。
トウモロコシは、ヨーロッパの「新大陸発見」という名の「侵略」で、世界に広がった食物である。私は、古代インカ帝国が生んだ「空中都市」、ペルーのマチュピチュへ、そのトウモロコシの原点を探るために向かった。

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