饗宴外交の舞台裏
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皇太子「最後の公式訪問」を「元首級」でもてなしたマクロン大統領の「狙い」

仏大統領夫妻主催の晩さん会であいさつされる皇太子さま。右はエマニュエル・マクロン大統領 (C)時事
天皇、皇后の元侍従長だった渡辺允氏は、両陛下が皇太子、皇太子妃として最後の外国訪問となった1987年の訪米(10月3~10日)に外務省幹部として同行している。当時、渡辺氏は外務省大臣官房審議官で、出発前に上司から「国賓訪問のつもりでやってきてほしい」と言われたことを覚えている。当時、昭和天皇の衰えは誰の目にも明らかだった。次に皇太子、皇太子妃が外国訪問をするときは新しい天皇、皇后として国賓で迎えられるだろうから、その予行演習のつもりでやってきてほしい、との意味が込められていた。

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